母の日の花の贈り物を頂いた後の管理方法まとめ

お花屋さんにとっては一年のうちで最も忙しい一週間の母の日週間
毎年、この時期には、お花の管理のご質問を頂きますので、ここにまとめておこうと思います。

まず、始めに、母の日のお花のお届けは宅配箱に入っている場合があると思います。これは、1店のお店で通常よりも数倍~数十倍の配達を同時期にこなさなくてならない為、通常のお店の方の配達とは違い、宅配便を利用したお届けがあるためです。

もちろん通常のお店の方が配達される場合もありますので、すべてがそうとうはかぎりませんが、もし、宅配箱に入ってお花が届いた場合は、すぐに箱から出して状態を確認して下さい。

目次

1.花束をもらったら

宅配箱に入っていた場合は、すぐに箱から出し、ラッピング等も丁寧に外して下さい。

この時期の生花は温度が高くなりしおれないように、根元に花用給水ゼリーや、綿、厚手のステムティッシュなどで保水をしていますので、それらを荒い流したり、取り除いたあと、花束の根元を2cmほどカットし、水切りをして下さい。

水切り方法

1時間ほど、水揚げしてお花が元気な状態でしたら、お好きな花器や花瓶に生けて楽しんで下さい。
その際、エアコンの風や直射日光があたる場所は避けてください。

※切り花延命剤を使用するととにかく持ちが良くなります

その後は、水換えと、花の様子を見ながら終わった花は取り除き、
元気な花は根をきり戻し、短くしながら、楽しみます。

最後は花首だけでも、ガラス皿などに浮かべて、フローティングフラワーにすると長く楽しめます。


2.アレンジメントをもらったら

宅配箱に入っていた場合は、すぐに箱から出します。

アレンジメントの場合は、吸水性スポンジにお花が活けてありますので、花束よりも水きれの心配はないですが、スポンジも乾いている場合がありますので、お花と花器のすきまから、そっと手を差し入れ、スポンジをさわってみて下さい。乾きぎみのようでしたらすぐに水をさして下さい。

もし、充分に水が入っていれば、すぐには必要ありません。

毎日、お水の様子を見ながら、水差しやヤカンのような首の細いもので、ゆっくりと水を追加して行って下さい。これから気温が高くなる日々では、びっくりするくらい、お水をすっている事もあります。

新しいうちに元気がないように見える花は、よくスポンジにささっていないか、途中で折れている場合があります。そのような場合は、一度とりあげ、茎を斜めに切り戻し、再度スポンジにさして下さい。何度も同じ穴にさしてしまうとスポンジの中で茎との間に気泡が出来て、花に水が上がらない場合があるので、一度でスッとさしてください。

日が経って、寿命で元気がなくなって来た花は取り除いていきますが、アレンジのバランスがとれないほど花数が少なくなったら、花束の場合と同じように、茎を切り戻し、花瓶に生けなおすとよいでしょう。


3.プリザーブドフラワーをもらったら

プリザーブドフラワーには、生花のようなしおれる心配がありませんので、ラッピンクのままでも、もちろん、お好きなように外してもらっても結構です。

高温多湿をきらいますので、直射日光のあたらない、湿度の少ない場所を選んでお飾り下さい。お水は絶対にあげないで下さい。

プリザーブドフラワーは長く楽しめる分、ホコリが大敵になりますので、ケースなどのホコリよけで飾られる事をおすすめします。


4.カーネションの鉢物をもらったら

毎年、一番多く質問を頂くのがカーネションの鉢物の管理です。

カーネーションの花は母の日の代表花。

クリスマスのポインセチアなどと同じくイベントの象徴となるお花は、その日を境に取引価格が激動するため、生産者にとっては、とても大変な事情があります。

出荷日に合わせて無理やり調整する場合も多く、お花にとってストレスがかかっている場合も多いのです。
カーネーションの鉢を育てるのが難しいと言われる所以はこのあたりの事情もあるかと思います。

ただ、昨今は品種改良もすすみ、各メーカーから丈夫な育てやすい品種も多くなっています。

基本的にカーネーションは「日当たりの良い場所を好み良く日に当てて育てます」が、生産者の元から→花市場→お花屋さんの店舗→お届けと数日のうちに環境が変わってきているので、いきなりまた、環境を変化させてるととたんに元気をなくす場合もあるので注意が必要です。

1.まずは、ラッピングや籠などから丁寧に取り出し、株の状態を見て下さい。
葉が枯れていたり、花が過ぎている物は取り除きます。

2.鉢が乾いていたら、たっぷりの水を与えますが、花の上からでなく、根元(鉢もと)にしっかり掛けて下さい。株に水が残ると蒸れて根腐れをおこしますので、株にはかからないように注意しながら、下から水が出てくるほどたっぷりかけます。
毎日は水は必要ありません。根腐れをおこします。「鉢が乾いてからたっぷり」です。また真夏の水やりは夕方の涼しくなる時間にして下さい、日中は熱湯のようになるのでダメです。(冬場は日中)

3.最初の数日は、直射日光はさけ、午前中の光が柔らかくさすくらいの所で管理します。
慣れてきたら、しっかりと太陽の光を当てて育てます。(つぼみがたくさんある場合は日光不足ではつぼみが開花しない事や葉の色も悪くなるので、良く日に当てること事は大切です。

4.花がらはこまめに取り除き、次のつぼみの負担をかるくしてやるようにします。もし、はさみやナイフで切る場合は、使用後によく水洗いして清潔にしておかないと雑菌をつける病気にかかってしまう場合がありますので注意が必要です。

カーネーション鉢

また、スカスカのつぼみも咲きません。カーネーションは自力以上につぼみをつける性質があるので、過剰なつぼみは咲く花にも負担をかけてしまうので、もったいないと思わすに取り除きましょう。

カーネーション鉢

5.元気に育っている場合は2週間に一度程度肥料を与えます。(生産者ベースでしっかりと与えてある場合があるので、開花時は肥料はいらない場合があります。できれば、タグなどについている生産者メーカーへ尋ねると良いと思います。夏の間は肥料は必要ありません。)

6.鉢の下から根が見えるほど根が回っていたら、花後に一回り大きな鉢に植え替えます、その際、根はくずさずそのまま植えます。(管理を考えると地植えは適さない)

7.カーネーションは高温多湿に弱く30℃を超すと蒸れをおこし、生育が悪くなります。梅雨時から真夏に掛けての高温時は注意が必要です。梅雨時の長雨には当てないように、高温時は耐暑性のある品種でも、直射はさけ、半日陰の涼しい場所へ移動させます。(10℃〜28℃までで管理)

8.花が一通り終わったら、上から3分の2ほど刈り込みます。四季咲き性のカーネーションの場合、秋にまた花が咲きます。

病気や害虫にも注意が必要ですが、蒸れと高温に注意し夏越し出来れば、寒さには比較的強いのと、挿し芽でも増やせますので、是非、上手に育てて下さい。

カーネーション鉢

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この記事を書いた人

これまで30年以上お花屋をやっておりましたが、10年前に閉店し今は第二の人生を謳歌中。これまで培ってきた経験からお花に関する情報を掲載しています。写真を撮ったり、WEBサイトを制作したりするのが大好きです。

フラワー装飾一級技能士
Photoshop・Illustrator・Webクリエイター 各エキスパート1級
介護福祉士

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