花屋をしていると、よく質問いただくのが「花言葉」です。
特に、男性から女性へお花をプレゼントされる時に、「この花の花言葉は何ですか?」とか
「◯◯の意味を持つお花を探して下さい」などなど。。。
皆さんはお花を贈ったり、貰ったりする時に花言葉を気にしますか?
Q.お花を贈る時に、花言葉にこだわる必要があるのでしょうか?
また、同じ花でも本やHPによって意味がちがうのはなぜでしょう?
A. 花言葉の起源は1600年代、
現在のトルコのイスタンブールで花言葉が付けられたのが始まりとされていますが、
基本的には世界各国の民族の歴史,風習,神 話や伝説、宗教から生まれたもので
歴史的、神話的背景のもと成り立っています。
その為、当然国や民族、言語が異なれば同じ花であっても異なる意味を持つことが多く、
加えて花の色によっても異なります。
現代の日本においては外国からの移入の経緯などにもよって数多くの花言葉が存在します。
(花の普及目的として、イメージの悪い言葉を避けたものを
新しい花言葉として広められた経緯もあります。)
良い意味で贈ったつもりのお花も、まったく正反対の言葉を同時に持つ場合も多く、(バラは、葉やトゲにまで個別に花言葉があるようです。また枯れたときなどの状態にも花言葉があるのです。)これを意図した意味で贈る事の方がむずかしい気がします。
個人的には、花言葉を気にしてお花を選ぶよりも、相手の方のイメージや好みにあわせて、そのお花自体の美しさ、可愛らしさ、可憐さで選ぶお花の贈り方をお薦めします。
そうして選んだお花が素敵な花言葉を持っていたら、メッセージカードを付けて、カードの裏側にさり気なく
「この花の花言葉は○○」だそうです。と小さく記したらいかがでしょうか?
花言葉も占いと同じで、ネガティブな意味は気にせずに、素敵な言葉だけ拾っても良いのでは?と思っています。私は素敵な良い花言葉だけ、積極的にご紹介する事にしています。
代表的な例としては「黄色の薔薇」
黄色いバラの花言葉には「嫉妬」や「薄れゆく愛」など悪い意味のイメージが強く、
とても綺麗な花なのに敬遠される場合があります。黄色と言う色が“不吉”や“嫌悪”を表す民族的、宗教的な要因があるそうですが、「日本ファーザーズ・ディ委員会」が制定した父の日のお花は「黄色の薔薇」で、同協会によれば、
『黄色』は世界で最も大切にされている色の一つ
イギリスでは『黄色』は『身を守るための色』として生まれました。黄色のハンカチ、黄色のネクタイ、など身につけるとその身を守ることができると昔から言い伝えられてきたのです。インドでは『黄色は極楽浄土への道標』、中国では『黄色は皇帝の色』、フィリピンでは『アキノ元大統領のシンボルカラー』でした。
黄色には「嬉しさ」「楽しさ」「暖かさ」「幸せ」「富貴」「希望」「向上」など素晴らしい意味があります。何よりも『命を寸る色は黄色」なのです。
とあります。
黄色の薔薇も「あなたを恋します」「変わらぬ友情」「恋心」などの良い言葉も持っています。厳密に言えば、濃い黄色と薄い黄色は違うし、蕾の時と咲いた時も違います。つまり、気にしていても仕方ないのです。(^_^;)
なので、「悪い言葉がある花なので贈らない」は、何だか悲しい気がします。
繰り返しになりますが、
●相手の方のイメージや好みにあわせて、そのお花自体の美しさ、可愛らしさ、可憐さで選ぶお花の贈り方を!
●意図した花言葉があればカードに書いて添えて
あまり、花言葉に振り回されない、素敵な花贈りをして頂きたいと切に思います。
追記:
メールで質問を頂きましたので、ここに追記させて頂きます。
あるサイトで、
「ブライダルブーケに使う花には、花言葉的に相応しくない花は使わないので、
花言葉がよくない花が使われていたら、あまりよいブーケではない」と
あったのですが、本当でしょうか?使いたいお花があまり花言葉がよくないようなのですが…
と、ご質問頂きました。
A.30年近くお花と関わってきて、
数えきれないほどのブーケも作りましたが、そのようなお話は初めてお聞きしました。
先にも書きましたとおり、お花には沢山の花言葉があり、
良い意味も、悪い意味も同時に持つものも多く、
一つに決まっているわけでもないですし、
花言葉すら持たない花もあれば、状態で変わる花もあるのです。
風水や、占いなども同じと私は思うのですが、
誰が決めたのか、よくわからないような言い伝えや、言葉に惑わされず
ご自分が好きなお花なら、是非使って頂きたと思うのです。